心の変化球にご注意ください

人生長距離走☆のんびり急いで、ぼちぼち行きましょう。

仕事のこと

看護師として仕事をしていると、五感でその人の旅立ちの時期が近付いていることに気が付くことがある。口腔ケアで差し入れた指のひんやりとした冷たさだったり、排泄ケアで指を肛門に入れた時に感じる筋肉の緩みだとか。後は、声掛けをして視線を合わせるその時に見える目の輝きの陰り具合だとか。医学的に難しい言葉で、それら現象を説明することは出来ず、勉強不足で恥ずかしい限りなのだが、臨床で長く仕事をしているならば誰しもが、知らない間に相手から受け取る自分オリジナルのサインがあるはずだと思う。だからと言ってこれから”あちら”の橋を渡っていこうとする方たちを引き留めることは、よっぽどの事情(回復力のある若者や医学的に蘇生可能な患者)がない限り出来ない相談なのだが、生死が身近にある生活をしていると、私などのようにやや冷めた目線で厭世的に生きているものからすれば、輪廻転生や地獄・極楽なんていうコンセプトは、よっぽど現世でご利益に恵まれた人か今生では報われないと思って生きている人の脳内麻薬ではいかとつらつら考えながら仕事をしていた。